医者

正義の味方になれる存在

注射器

効果とリスクは共存する

人間は日頃から様々な菌と共に生きています。菌は基本的に害となる存在ですが、中には病気に対して強い抵抗力を持つ菌もおり、それらは病気の治療を手助けしてくれる頼もしい味方として活用されているのです。 例えばインフルエンザのワクチンも菌の力を利用した薬です。毒性を弱めたインフルエンザ菌を体内に取り入れる事で、比較的安全に抗体を作れる為、インフルエンザの感染リスクと症状が重症化する可能性を低く出来ます。時には、ワクチンの摂取によりインフルエンザに類似した症状が現れる事もありますが、メリットの大きさを覆すほどのデメリットではありません。このような薬の利用は医療分野に限った話では無く、美容整形の世界で名の知れているボトックスも菌を使った薬の1つです。ボツリヌス菌から作られるボトックスは毒素製剤と呼ばれています。ボツリヌス菌は食中毒の原因にもなり、最悪の場合には命の危険が伴う非常に恐ろしい菌です。しかし、インフルエンザのワクチンと同様に毒性を排除すれば、人間への使用が可能な良薬として生まれ変わるのです。ボトックスにはシワを改善する効果が認められています。特に、目元や口元などの筋肉を動かした際に出来るシワに対しては大きな力を発揮します。一方で、筋肉の動きに関与しないシワへの効果は、あまり期待出来ないとされているので注意が必要です。ボトックスの効果が持続するのは3ヶ月ほどで、期間が過ぎると徐々に元々の状態に戻って行きます。継続的な効果を望む場合には、定期的に治療を行う必要がある為、あらかじめ費用の確認をして置く事が大切です。製薬会社によってボトックスの種類には幅があり、値段もそれぞれで異なって来ます。施術を行うクリニックによって取り扱っているボトックスは違うので、値段の確定は出せませんが、1?3万円を基本とし、患者の希望によっては数十万円ほど掛かるケースもあるようです。治療法の選択権は患者側にあるので、よほどの悪徳クリニックで無い限り、料金をぼったくられるという心配は無いと考えて良いでしょう。しかし、極端な値引きやボトックスの値段が安い場合には、質の悪い施術や薬を使っている可能性も否定出来ないので、慎重に検討する事をおすすめします。菌の毒性を無害化しているとは言え、やはり副作用は確認されています。主な症状として、発疹や筋肉痛に似た痛みが体に発生する事があるようです。さらに、目元の治療を行なった場合、目に開き難さを感じたり、目の印象が変わったりすると感じるケースも報告されています。また、妊活をしている人や現在妊娠中の人、そして授乳期の人はボトックス治療を受けられません。加えて、妊活をしている男性にも使用が規制されているので注意して下さい。その理由は、ボツリヌス菌の毒性への懸念です。ボトックスは命を脅かすような毒性は除去していても、副作用が胎児に何かしらの悪影響を与える可能性が完全には否定出来ない事が規制のポイントとなっています。現に海外では、赤ちゃんに重い症状が発生したという事例もあり、治療を受ける際にはパートナーとの相談が大切になって来るのでは無いでしょうか。